最高裁判所第一小法廷 昭和43(し)82 決定
主 文
本件抗告を棄却する。
理 由
本件抗告の趣意は、別紙のとおりである。
所論のうち、先づ、原決定は刑訴法三七六条一項、同規則二三六条、同法三八六
条一項一号の解釈を誤まり、ひいては憲法三一条、三二条に違反するとの点につい
ては、弁護人の刑訴法、刑訴規則の右条項の解釈についての所論は独自の見解であ
つて到底採ることを得ず、これを前提とする違憲の主張はその前提を欠き、次に、
必要的弁護事件において、控訴趣意書の差出最終日までに弁護人を選任しなかつた
措置を黙過する原決定は、憲法三七条一項、三項に直接に違反するとの点について
は、同条一項違反の主張は、その理由を明らかにしていないから不適法であり、同
条三項違反の主張は、裁判所は被告人に対し弁護人に依頼する権利を行使する機会
を与え、その行使を妨げなければいいのであつて、たとえ必要的弁護事件で弁護人
を選任しないからといつて、直ちに右条項に違反するものではないことは、当裁判
所の判例の示すところであつて(昭和二四年(れ)第二三八号同年一一月三〇日大
法廷判決、刑集三巻一一号一八五七頁、同二五年(あ)第二一五三号同二八年四月
一日大法廷判決刑集七巻四号七一三頁参照)、所論は理由がない。その余は、すべ
て単なる訴訟法違反の主張であつて、刑訴法四三三条の抗告理由にあたらない。
よつて、同法四三四条、四二六条一項により、裁判官全員一致の意見で、主文の
とおり決定する。
昭和四四年三月一〇日
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 大 隅 健 一 郎
裁判官 入 江 俊 郎
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裁判官 長 部 謹 吾
裁判官 松 田 二 郎
裁判官 岩 田 誠
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